おすすめCD(その7)(なんと7ページ目!)

<第28作>「Dear Friends」岩崎宏美 


おなじみお気に入りCDのご紹介ですが、今回は最近とみに増えてきたカバー
アルバムのひとつです。ラップなどが目立つようになって、メロディアスな曲
が減ってきた今のご時世で、一方ではその昔の名曲のカバーをする歌手が増え
て来ているというのは、やはり不景気で、あるいは世情不安で日本人の文化が
懐古的になって来ている証拠なのでしょうかね。

駄評論はおいておいて、このCDです。歌っているのは岩崎宏美さん。今年芸
能生活30周年を迎える、私と同い年の大ベテラン歌手です。もちろんデビュー
当時の「アイドル」時代もリアルタイムに知っていますし、その頃からの彼女
の抜きん出た歌唱力のファンでした。デビュー2曲目の「ロマンス」や大ヒッ
ト曲「聖母たちのララバイ」などはご存じの方も多いでしょう。

その彼女がインペリアルレコードに移籍しての最新アルバムがこの「Dear Friends」
です。一番古くは1963年の坂本九の名曲「見上げてごらん夜の星を」から、移
籍後カバー曲としてシングルリリースした「止まった時計」「夢」まで、実に
長年のJ-Folkフリークなら涙を流して喜びそうな曲が並んでいます。しかもこ
のアルバムのいろんな話題の中でも最大が、「誰もいない海」での実妹岩崎良
美さんとの初デュエットです。ご本人のライナーノーツにもあるとおり、長い
芸能生活の中で本当に全く初めてのことだとの由ですが、そのコーラスは素晴
らしいものがあります。姉妹で声が似ているといえばそれまでですけど、一人
で重ね録音をしているといっても通るほどのユニゾンです。これはまさに一聴
の価値ありですよ(^^)。

その他のラインナップは下記のとおりです。いやぁひさしぶりに毎日ポータブ
ルCDプレイヤで聴くほどはまってしまいましたです・・・

01:恋におちて/オリジナル:小林明子(1985年)
02:さらば恋人/オリジナル:堺正章(1971年)
03:時代/オリジナル:中島みゆき(1975年)
04:あなたの心に(ALBUM VERSION)/オリジナル:中山千夏(1969年)
05:恋しくて/オリジナル:BEGIN(1990年)
06:ブルー/オリジナル:渡辺真知子(1978年)
07:夢(New Vocal&Mix VERSION)/オリジナル:さだまさし(1985年)
08:止まった時計(ALBUM VERSION)/オリジナル:ASKA(1991年)
09:誰もいない海/オリジナル:トワ・エ・モア(1970年)
10:コバルトの季節の中で/オリジナル:沢田研二(1976年)
11:君と歩いた青春/オリジナル:風(1976年)
12:見上げてごらん夜の星を/オリジナル:坂本九(1963年)

(P)2003 Imperial Records TECN-30880 \3,000


<第29作>「If I Believe」倉木麻衣


表記のCDは倉木麻衣さんの最新アルバムです。シングルから「風のららら」
と「Kiss」、それに「Time after time〜花舞う街で〜」はイントロ違いのシ
アター・バージョン、「Make my day」はリアレンジ・バージョンで収録する
他、この6月下旬からオンエアされているシーブリーズの第2弾CMソング「If
I Believe」、そして台湾のトップシンガー孫 燕姿(スン・イェンツィー/
Sun Yan zi)との全英語詞によるデュエット・ソング「Tonight, I feel close
to you」、大学で取得していたスペイン語を取り入れたラテン・ナンバー
「mi corazon」など全11曲が収録されています。今回この中でも特におすす
めなのが最後に収録された「Tonight,I feel close to you」です。

この曲を聴いてみるとこれがまた素晴らしいデュエットに仕上がっています。
ふたりとも透明感がありながら、高音よりもむしろ低音の方に伸びがある声質
が似ています。似ているのだけれど並んでみると微妙に違う二人が、絶妙の掛
け合いで曲を進めていき、最後にはステレオで聴いていると左側に燕姿さん、
右側に麻衣さんの声が完全に分かれるのですが、「お互いの存在を主張しなが
ら溶け合っていく」と言った感じの美しいコーラスです。

私、恥ずかしながらこの曲を聴くまでこの孫燕姿さんのことをまったく存じ上
げませんでした。麻衣さんのサイトでこの曲が今回のアルバムに収録されるこ
と、これが彼女とのデュエットであることは知っていたのですが、もっと新人
の歌手かと思っていたのです。しかし、サイトで検索してみると実に多くの情
報が出てきてビックリ。すでにアルバムも数枚出しており中国語圏では相当有
名な方らしいですね。この曲をきっかけにもっと日本でも紹介されたらいいの
にと思いました。
 ←孫燕姿さんのお写真 クリックすると大きくなります

歌詞は麻衣さんとTokiko Nishimuroさんの合作ですが、このアルバム、「Time
after time〜花舞う街で〜」に代表されるような、日本語の美しさを感じさ
せるような曲が多いのですけど、この曲は完全英語詩です。それをともに英語
が母国語ではないはずの二人が、nativeよりも美しいのではないかと思える発
音と表現力で唄いこなしていることも今回この曲をメインにここでおすすめを
書こうと思った一因です。一聴の価値ありですよ。

01. 「If I Believe」
02. 「Time after time 〜花舞う街で〜」-theater version-
03. 「風のららら」
04. 「Kiss」
05. 「mi corazon」
06. 「I don't wanna lose you」
07. 「Make My Day」-album version-
08. 「SAME」
09. 「Just A Little Bit」
10. 「You are not the only one」
11. 「Tonight, I feel close to you」with 孫燕姿

(P)2003 GIZA studio/GIZA inc. GZCA-5031 \3059(税込み)


<第30作>「銀の龍の背に乗って」中島みゆき


今回は中島みゆきさんの最新シングルの巻です。

あのロングヒット(「地上の星/ヘッドライト・テールライト」)を記録中の
中島みゆきさんにとって、さすがにその後に続くシングルというととても取り
組みが大変だったらしく、実はこのシングルはなんと3年ぶりのリリースとな
ります。逆に言えば「地上の星」がそれだけ偉大であったというわけですけど、
上記の曲は「地上の星」と比べてみても遜色なく、さらに壮大で感動的と言う
意味では前作を凌駕しうるのではないかという印象です。

今回はTVドラマ「Dr.コトー診療所」の主題歌というはっきりとした目的
があったせいか、歌詞は非常に示唆的で素晴らしいものになっていますが、こ
のコミックを知っていればさらにこの歌詞に感動することができると思います。
ただ、大病院のような設備もない小さな診療所でいろんな病いや怪我に取り組
むことの歯がゆさ、苦しみ、悩み、そして乗り越えたときの達成感を知ってい
る私には、さらに深い感慨を与えてくれました。

その歌詞は初っぱなからこう来ます。

「あの蒼ざめた海の彼方で 今まさに誰かが傷んでいる
 まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている」

もう、ここでガーンときます。いろんな病いに苦しむ人たちを前に、なかなか
満足なことのできない自分への歯がゆさを思ってしまいます。そこに

「急げ悲しみ 翼に変われ 急げ傷跡 羅針盤になれ」

その非力を実感した経験を積み重ねて来たここまでの20年を思わず思い返して
しまうところですね。

しかし、曲の後半になって力づけられます

「失うものさえ失ってなお 人はまだ誰かの指にすがる
 柔らかな皮膚しかない理由(わけ)は 人が人の傷みを聴くためだ」

非力だけれど、非力なゆえに判る傷みがある。同じ傷みを共感できてこそ。

「わたボコリみたいな翼でも 木の芽みたいな頼りない爪でも
 明日僕は龍の足元へ 崖を昇り呼ぶよ 「さぁ行こうぜ!」」

こんな私たちでも頼りにしてくれる人たちのために、ささやかな翼と爪でも勇
気を持って立ち向かえば大きな龍を味方にできる。そして

「銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ」

と歌い上げられるクライマックスで、こういった第一線医療にかかわることの
喜びをと自信を取り戻させてくれるのです・・・

当然こんな思いは他の方にはできないことだと思いますが、それだけに私に与
えてくれた感動は他の方よりはずっと大きなものだったのではないかと思いま
す・・・

(1)銀の龍の背に乗って  作詞/作曲中島みゆき 
(2)恋 文
(3)銀の龍の背に乗って(TV MIX)
(4)恋 文(TV MIX)
YCDW-00014 \1,050(税抜価格\1,000)



<第31作>「Dear Friends II」岩崎宏美

最近なかなかエッセイを書く余裕もないのですが、このCDを先日購入して、
久しぶりに少し書く気が起こりました。この岩崎宏美さんのNewLP「Dear Friends
II」は、前作「〜I」が昨年の3月にリリースして以来9か月ぶりに、かなり
ファンの間では話題になり待たれていた第2弾です。前作同様、古くは1969年
から、今回は最新は2003年のものまでの宏美さんの心に残った曲、あるいは前
作を聴いてファンからの要望の多かった曲を中心に全12曲をカバーしています。

新しい曲もいいのですが、彼女と同じ世代の私たちにとってはやはり60〜70年
代の曲というのが心に残っていて、聴くとなにがしかの想い出が頭の中によぎ
ってくるのです。

ちょうどこの年代は私たちが中学生から高校生といった多感な頃でした。受験
勉強をするのに遅くまでラジオで深夜放送を聴いていたのを思い出します。今
のようにCDもないし、ラジオだって決して音もよくなかったけど、好きな曲
は音質を無視してでもテープにとって繰り返し聴いていました。そういう頃の
代表曲として挙げられるのが1975年の「海岸通」でしょう。

また、医学部に入ってからも決して裕福でなかった私が、何とかラジカセだけ
は購入してFMの素晴らしい音質に聞きほれてこれまた一生懸命に録音してい
たのが「白いページの中に」でした。なぜか宏美さんはこの曲を、今回リクエ
ストされるまでご存じなかったそうですが、カラオケを中心に唄い継がれてい
て今でも非常に「隠れファン」の多い曲。そして今回のアルバムの中でも、ア
レンジ、そして宏美さんの歌唱共にベストな1曲だと思います。

でも、今回昨年中島みゆきさんがリリースした「恋文」までカバーしておられ
るとはちと驚きでした。とはいえ宏美さんの「恋文」もなかなかいいです。な
んとなく込められた思いにも少しの違いを感じます。50代と40代の差かな(^^)。

宏美さんのファン以外の方は、現在の宏美さんの魅力を改めて知ることもでき
ると思います。もしよかったら一度試聴なさってみてください・・・

01:白い色は恋人の色/オリジナル:ベッツイ&クリス(1969年)
02:五番街のマリーへ/オリジナル:ペドロ&カプリシャス(1973年)
03:もしもピアノが弾けたなら/オリジナル:西田敏行(1981年)
04:海岸通/オリジナル:風(1975年)
05:秋桜/オリジナル:山口百恵(1977年)
06:真夜中のギター/オリジナル:千賀かほる(1969年)
07:早春の港/オリジナル:南沙織(1973年)
08:少年時代/オリジナル:井上陽水(1990年)
09:伝わりますか/オリジナル:ちあきなおみ(1988年)
10:恋文/オリジナル:中島みゆき(2003年)
11:12月の雨/オリジナル:荒井由実(1974年)
12:白いページの中に/オリジナル:柴田まゆみ(1978年)


(P)2003 Imperial Records TECN-30944 \3,000

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