公開質問状(2001/4/5)

毎日新聞(大阪本社版)2001/4/5朝刊の「読者のひろば」欄に掲載された
3月23日東京紙面への返答記事に対する公開質問状です。

こんにちは、はじめまして
私は大阪府豊中市の、阪急豊中駅前にある「豊中診療所」という診療所で所長
を務めます中塚比呂志と申します。毎日新聞は大阪本社版を自宅と診療所で読
ませていただいています。

実は今日メールいたしましたのは、本日大阪本社版にも載っておりました「読者の
ひろば」欄の、3月23日に東京紙面に載った意見に対する返答という形で警視庁
交通部の浜田康雄氏が書かれているものについて、実際に現場に関わる医療者
としてぜひとも意見を述べたいことがあったからです。

うちの診療所は昨年からの介護保険に対応して、訪問看護ステーション事業、
通所リハビリテーション(デイケア)事業なども行っていますが、介護保険の
「制度だけ先走って設備が付いて来ない」実情には良く泣かされています。特に
今年になってこの問題で、往診車の駐車に関しては認められても、訪問看護、
あるいは介護の車には認められないという返答を豊中市の警察から出されたこ
とには正直かなりの怒りを覚えまして、診療所のHP
http://www1.doc-net.or.jp/~dock-nkt/toyo1.htmです)
の表紙ページにも意見記事を載せたくらいでした。

その際に警察から言い渡されたことは、駐車許可証を発行しないでもないけれ
ど、そのためには各患者さんのために我々医療者側が訪問看護ステーションへ
宛てて発行する「訪問看護指示書」を添付して出せというものでした。しかしこの
書類には患者さんの病状を始めとして患家のプライバシーが書かれています。
当然我々の側からすれば守秘義務のなかに当てはまる情報なのです。これを
警察に宛てて公開して添付しないと駐車許可しないと言うことでしたので、うち
のステーションでもおおいに憤りを感じましたし、市内の別のステーションの所
長に至っては、患者のプライバシーを公開するくらいなら甘んじて駐禁をくらう
とまで言い切っている、そんな事態が大阪であるのです。
(そもそも介護保険になっていろんな書類が増えて、それぞれに対する守秘
義務に関しては役所の方からさんざん言われていることなのです。)

うちの事務長に問い合わせましたがどうも大阪全体(大阪府警にての指導)の
ことのようなのですが、この警視庁の浜田氏の文章にはそういったことがいっさい
触れられていません。これは果たして大阪府警だけがシブイのか、それとも
同じ対応だがあえて警視庁の側が書いていないのか、が大きな問題だと思わ
れます。

大阪府警だけの問題であれば、なぜ大阪だけでそんな対応をするのか、大阪に
はまだまだ取り締まるべき駐禁はいくらでもあると思うのに、なぜ介護保険の設備
を充実させるということにまったく反することを堂々とするのか、大きな疑問ですし、
もし警視庁ともどもそんな対応をするがあえて黙っているなら、これは読者に対し
て不十分な情報を与えていることになり、これまた問題が大きいと思います。
また警視庁だけの対応ならこの記事を大阪本社版に同様に載せられたことは
大きな間違いであると言わざるを得ません。このあたりをご調査の上で記事にな
されたのかどうか、編集部側のご意見も伺いたい気持ちです。

以上、今朝本紙拝見しまして、この記事を発見して、とにかくすぐに意見を述べ
なければと思い、普通ならこの欄への投稿は420字以内でないといけないと言う
ことも知ったのですが、こんな長い意見ですし、大阪本社のひろば欄の担当者
(上田さんとおっしゃいました)にご相談申し上げた上でこのメールアドレスに投
函させていただいたような次第です。住民の人権と、介護保険制度の根幹にも
関わる大きな問題だと思います。ぜひご検討いただきたいと思います。

なお、このメールは公開質問状として診療所ホームページの片隅に載せておき
ますのでよろしくお願いします。

投稿者;中塚比呂志 1958年9月15日生42歳男性
EMail://dock-nkt@doc-net.or.jp